アース設備というのは、もっぱら安全性という目的のために常に存在してきました。たとえば、感電の危険防止、雷からの保護、ノイズの防止などの機能です。オーディオ製品のセットアップにおいては、アース設備の効果の良し悪しがそのままバックグラウンドノイズに影響を与えます。効果が劣れば、それが貧弱な音質へとつながり、聴くという体験をいっそう悪化させるのです。
現状
満足のいくアース設備、とりわけオーディオ用途の要求を満たすアース設備を手に入れるのは、ほとんど不可能です。たいていの場合、それらのアース設備は最低限の安全要件を満たすことを遵守しているだけです。一般的なアース設備は、「中性線(ニュートラル線)」と「アース線」を一緒に接続しているか、レセプタクル(コンセントやソケット)にアースがなく、アース線をどこにも接続していないことが多いのです。これでは、家庭の電気機器からのノイズが「中性線」を汚染し、これによって干渉が生まれてしまいます。インバーターエアコンのような電気機器や、コンピューターのようなスイッチング電源を備えた機器が、最高レベルの干渉を発生させてしまうのです。
電気の基準点となる場所がノイズで汚染されてしまうと、その汚染は信号経路に入り込み、それがノイズとして聞こえます。このノイズは、デジタル回路に入り込んでビットエラーを引き起こす可能性も持っています。
パッシブ・オーディオ・グレードのアースボックスの賛否両論
市場に流通しているパッシブタイプのアースボックスは、銅板、銅棒、銅メッシュ、鉱物粉、あるいはそれらの混合物などのような、導電性の良い素材を使って作られています。パッシブタイプの模擬アースの利点は、非常に簡単に作ることができるということで、事実、それらの大半は簡単に作ることができるのです。
難題となるのは、そういったパッシブ・アースは電圧の変化を軽減する程度のことしかできないという点です。つまり、アースの基準値となる電圧に近い数値を供給することができないのです。そのため、オーディオ機器との間で変動する可能性のある電圧の差異を急速に安定化することができません。これは、大洋に浮かぶ船にたとえることができるでしょう。常に漂っているので、アースの基準値が安定することが決してないのです。
同時に、鉱物や電解質の特性は時間の経過とともに変化するので、定期的にメンテナンスをする必要があります。これには、素材の取り替えや再調整、あるいは電解質の補充も含まれています。これを行った後に、再び効果を回復することができるのです。
上述したパッシブタイプの限界に端を発し、TELOSはアース設備に新たな意味をもたらしました。そしてこれがどのようなオーディオセットアップにとっても最高にエレガントな方法であることがわかったのです。
TELOSの技術チームは独自の視点でオーディオ装置を分析しています。あらゆるオーディオ装置は、適正な内部電圧で動作するように、電源トランスを使っています。そのため、それぞれの装置にはプライマリーサイド(一次側)とセカンダリーサイド(二次側)が存在すると言われています。プライマリーサイドは電源レセプタクルからトランスの入力までの間です。セカンダリーサイドはトランスの出力から回路基板までの間です。オーディオ回路はセカンダリーサイド内にあります。
TELOSの技術チームはGNR内でCPUを使ってアースの 基準値となる高精度な電圧を計算して生成することを提案しています。アースは、オーディオ装置をTELOSのGNR(アースの基準値となる電圧を生成します)のバインディングポストに接続することで達成されます。こうすることによって、GNRは装置のシャーシ、オーディオ回路、アース接続のためのアース用基準点の値を真に適正化することができるのです。
高精度なデジタルクロックと同じような手法を使って、GNRは低歪みのアース基準電圧を生成することによって、それぞれの装置に一貫した基準電圧を与えます。オーディオセットアップが単一のアース性能に基づいて動作している時は、信号の伝送は最低のインピーダンスで行われ、これによって、極性のミスマッチやビットエラーに起因するいかなる伝送ロスも避けることができます。したがって、可能な限り最高の伝送を真に達成することができるのです。
TELOS GNR Active Grounding Boxには、同一の素材を使用したアースケーブルが同梱されています。これによって、それぞれの装置が同一のアースインピーダンス特性を持つことになり、その結果色づけが大きく低減します。
オーディオのセットアップに独立したアースを設けると、専用の電源ラインを引いたのと同じほどの効果があります。GNRによって生み出されたアースの電位はオーディオのセットアップのみに使われるので、ノイズは完全に隔絶されるのです。
音質改善の用途に応じて、通常は1 台または2 台のGNR をご使用になるようお勧めいたします。
ご使用のシステムでGNR を使用する例を以下に示します。
背面の左側に3個、右側に3個のアース接続端子があります。これらの端子とお使いの機器の入出力端子、もしくはアース端子をアース信号ケーブルで接続します。
GNR は2 つの独立したプロセッサー・ユニットを装備しているので、一方をデジタル機器用、もう一方をアナログ機器用に使用することができます。
2 台のGNR を、それぞれデジタル機器用、アナログ機器用に分けて使うこともできます。
※標準付属のケーブルは機器接続側がYラグもしくはRCAプラグの各3本になっています。他の接続ケーブルをご希望の場合には正規取扱店にご相談ください。
※機器にアース端子がない場合には、筐体にねじ止めすることで同様の効果を得られる場合がございます。ただし、ねじ止めする場合には機器の保証外になる
恐れがあります。接続する機器の取り扱い説明書をご確認の上、自己責任にてご接続ください。
※接続方法によってはアースループが発生し、音質が損なわれる場合があります。最適な接続方法はシステムによって異なりますので、色々な方法をお試し
いただければ幸いです。
GNRを様々な機器に接続するための各種プラグに対応したケーブル
ラインナップ(ケーブル長 1.5m, 2.0m, 2.5m, 3.0m)
アース接続端子:WBT-0703 CU Nextgen ポールターミナル(金メッキ) × 6 本
付属ケーブル:Yラグ -> RCA端子 x3本, Yラグ -> Yラグ x3本
サイズ:390mm x 240mm x 60mm
重量:7kg
標準的な小売価格:(GNR本体)600,000円(税別), (オプションケーブル)要お問い合わせ
※仕様は予告なく変更になる場合がございます